或る校閲者のblog

校閲の仕事のことや、日常のことなど、徒然なるままに綴ります

お詫び・訂正記事のこと。

この間、某新聞の夕刊にお詫び記事が掲載されていました。

お詫び記事を新聞や雑誌などで目にすると、ついつい(一体何をミスしてしまったのだろう)と興味をそそられて読み込んでしまいます。大抵の場合は、とても難しい内容や確認不可能な事柄などではなく、思い違いや製作途中での不備といった人間のミスから生まれることが多いです。

 

目にしたお詫び記事も確認していれば気づくことのできたミスのようでした。

鉄道橋が「今世紀初頭」に建設されたとあるのは、「20世紀初頭」の誤りで、建設時期が1900年代初頭なのを思い違いで誤記してしまったとのことです。

 

現在を20世紀であると勘違いしていたことで起こったミスかな、と最初は思ったのですが、文章を読むにどうも建設時期を2000年代初頭と捉えていたのでしょうか。「今」と「20」というたった一マス分の字の違いですが、1900年代と2000年代では100年も違うわけで、当然に大きな違いです。校閲という仕事は、その一文字を大事に大事にしなければなりません。

「数字」や「固有名詞」などは特に注意深くみなければいけない部分であるので、複数の人々の目を経ているにも関わらず見落としてしまうというのは、同業者として身につまされる思いがしました。

 

ミスをなくすには体調管理も重要。近頃ぐっと寒くなってきたので、手洗いうがいに睡眠も十分に取るようにしなければいけませんね。