或る校閲者のblog

校閲の仕事のことや、日常のことなど、徒然なるままに綴ります

自己紹介とか。

今日からblogを始めます、夏野織子(ニックネーム)と申します。

普段は校閲者として働いています。

フリーランスの方も多い業種ですが、私は会社で専門職として採用されて、数えて三年ほどこの仕事に携わっています。

机に座ってゲラとにらめっこをする根気と忍耐のいる仕事ですが、もともと活字が好きな自分に合っているのか、とても楽しくお仕事をしています。

そんなお仕事の中で気になったことや日本語に関すること、日常のあれこれをこのblogでは綴っていくつもりです。

 

校閲とはそもそも何か。

昨今では石原さとみさん主演の「校閲ガール」というドラマや、その原作である小説などの影響で、知名度が高まっているかとは思いますが、まだまだ実際の現場や現場の人間が考えていることについては知られていないことも多いと思います。

「鳥の目 虫の目 魚の目」という言葉があります。

人生訓やビジネス現場で用いられることもありますが、この言葉はそのまま校閲という仕事にも適用できるものだと思っています。

「鳥の目」はマクロな目でゲラと向き合う作業。タイトル、見出し、ゲラの全体を見渡したときに感じる違和感その他を拾い上げていきます。

「虫の目」はミクロな目でゲラを見つめる作業。同音異義語異体字など、一つ一つの文字を見て誤字脱字がないかを確認していきます。

「魚の目」は流れを掴んだ上でゲラを確認する作業。前後の文脈から明らかにおかしい点や、矛盾している箇所、趣旨に反する部分など、一つ一つの文字を見ただけでは拾い切ることのできない、読解して分かる誤りなどを正していきます。

単純な文字のミスであればパソコンが修正できるでしょうが、最後の「魚の目」の作業はまだ人間でなければできないことだと思っているので、人工知能校閲という仕事がとられてしまう恐れはしばらくないかなあと考えています。

とはいっても、いずれ人工知能が人間の手を借りずに小説を書けるようになれば、校閲という仕事は人間に任せる必要はなくなるかもしれません。

それまでは一校閲者として、品質を損なうことのないよう責任をもってお仕事を続けていくつもりです。

 

さて校閲者と銘打ったのでこのblog内の文章に誤字脱字や日本語の誤りがないかびくびくしてしまいますが、いかんせん仕事終わりのへとへとの脳みそで綴っている文章なのでどうかご容赦ください汗 (後で読み返したときに自分で気づいた箇所があればこっそり修正していくかもしれません)

 

そんな感じでゆるゆると綴っていこうと思います。どうぞよろしくお願いします。